NPO法人京都匠塾

設立の趣旨

京都の歴史が育んだ、さまざまな伝統文化。そのひとつである伝統工芸の技術は、世界でも類をみないほど多彩で洗練され、また美しい技術です。しかし、そんな優れた技術も時代の流れとともにその伝承力を弱めつつあります。

現在の伝統工芸にとって、伝承すべき後継者の問題が大きな課題のひとつだと言われています。しかし、京都伝統工芸大学校の卒業生をはじめ、各地の工房その他で、その後継者の芽(人的素材)は数多く芽吹いています。それに対し、その芽を育てる土壌としての「新人活躍の場」があまりにも限られており、芽が育ちにくいのが現状です。

こういった背景のもと、我々「京都伝統工芸活動支援会 京都匠塾」は、職人を目指す新しい芽に対し、作品の販路開拓や発表の場の提供といった独立創業の支援、雇用創出の制度研究やその制度を活かした事業展開といった活動舞台の拡大、伝統工芸に関する情報の受信・発信やネットワークの構築による業界情報の活性化、などを行うことにより、新しい職人の芽が活躍できる土壌作りを行っていきたいと考えています。

新しい職人の芽は自ら芽吹こうとしています。その芽に光を当て、水をやり大きな花を咲かせることができるよい環境を作っていき、多くの新人職人がその芽を摘まれずに、すくすくと成長していける場として当塾を利用できることが望ましいと考えています。

また、併せて、このすばらしい京都の伝統工芸の良さを、広く全国や世界に発信し、より多くの方に知っていただくことで、京都伝統工芸産業全体の活性化を促進し、伝統工芸を活かしたまちづくりの提案やまち全体の経済発展にも寄与したいと考えます。

さらには、伝統工芸産業の裾野を広げる教育・普及機能の強化に向けて、生涯学習分野における伝統工芸教育の可能性を模索するとともに、伝統工芸の技術伝承を通して、子供たちや若者の感性教育を行い、コミュニケーション能力や社会性なども養っていくことで、次世代を担う若者たちに伝統技術だけではなく、人と人とのつながりの大切さや社会人として生きていく上での心構えを伝える役割も担っていきたいと考えています。

平成18年6月
特定非営利活動法人京都伝統工芸活動支援会「京都匠塾」
高橋博樹